「私はベンツヘ行ってエンジンのマイスターになりました」「私はBMWへ行って足回りのマイスターになりました」。
そして「これだけ集めたんでトーヨータイヤで採用してください」あるいは「なになに会社で採用してください」。
そういうことがドイツではあります。
ですから二十代の人は世間からまだ一人前には相手にしてもらえない。
三十代ぐらいにならないと一人前に扱ってもらえない。
こういう国がドイツであります。
皆さん方の年代は、だいたい男は兵役に行きます。
十八歳になると大学入学資格を取って、そのまま一年から二年兵役に行く。
帰ってきてから大学へ入る。
こういうふうなことをやっておるのがドイツであります。
そういうドイツで、ドイツ人というのは非常に清潔好きです。
清潔好きで社会で一緒に共生をしていく、こういう民族でして、しかも機械が好き、車が好き。
こういう自動車社会です。
ですからアウトバーンで百三十キロまでにやめなさ照らない。
そういう国です。
ですから「くる病」になる人も非常に多い。
骨が弱いのです。
そこで夏の休みになれば、地中海の太陽の光を求めて、民族の大移動をする。
こういう国です。
ですから、みんなが一斉に動いたら大変なことになるということで、学校の休みは州によって、一週間ずつずらしてあります。
どこそこの州は、今年は七月は第一週から夏休みにしましょう、どこそこは第二週からにしましょうというふうに、州によって休みの日がずらしてある。
そのくらい地方分散型であります。
前に私の講義の時にお話しましたように、引っ越すのをいやがります。
自分の生まれた国、地方が一番いいんだというふうに考える国であります。
社会制度としては昔のギルド時代のマイスター制度が現存しております。
皆さん方のような年で学校を卒業すると、すぐに会社へ入ってマイスターの資格を取ります。
一つ資格を取ると辞めて、すぐ次へ行って次の資格を取る。
その資格の賞状をたくさん集めて、終身就職をするのは三十代になってから。
二十代の問はいろんな会社を渡り歩いて、いろんな資格を取ってくていったらいいのか全然分からない。
それがドイツの場合は、そういう交通標識もしっかりしておる。
そういう中で自動車が存在しているわけです。
自動車メーカーも、自分のところの蓄積した技術を使いまして、お客さんが極限を追求しようと、二百キロでも三百キロでも走ろうというんですから、それに合う車を作らないといけない。
そういう国柄で、それが走れない車は売れない。
今現在日本の自動車メーカーが困ってるのはそういうことでして、トヨタでも日産でも「それじゃ三百キロで走るけど、走れるか」と言うと走れない。
「じゃあダメだ」。
こういうことになってくるんです。
メーカーが自社の宣伝をするのは当然だと評価しない。
お客さんはテスト会社がテストしたテストを見て、本当かと。
よし、自分で試してそれを自分の車にしよう、自分のタイヤにしよう。
そういうふうなことをやっております。
ドイツの国は北のほうにあります。
デュッセルドルフでも日本に当てはめると、北緯五十度ですから、樺太の真ん中あたりの位置にあります。
ですから冬は九時過ぎに太陽が出てきて、三時過ぎには日が沈むといいというのは、人権侵害であると。
走りたいように走らせてくれということで、未だにアウトバーンはスピード制限がありません。
二百キロ出そうが三百キロ出そうが、自分の責任で走ってくださいと。
自動車を車検に出しますと、先ずブレーキの検査をします。
オイルがなくなっていても問題になりません。
安全のために、止まる、曲がれるが大事で、走るのは勝手にどうぞという感じです。
こういう国ですから、非常に道路行政もしっかりしております。
最近の日本の道路公団のああいう問題は、全くありません。
それから交通標識もしっかり整備きれております。
例えば、これをまっすぐ行ったらフランクフルトへ行きますよという標識が出ますと、次にフランクフルトは右ですよとか左ですよという表示があるまでは、まっすぐ走りなさい。
こういうふうに徹底しているんです。
フランクフルトという名前が二回目出てこなくっても、なにも心配することはない。
その道をまっすぐ走っていったら、いずれそれが出て来る。
こういうふうな標識。
で、日本でここから東京へ行こうと思えば、全然そんな標識は何もありません。
どこを通っうことで、薄ぼんやりとした風景になります。
その代わり夏は朝四時頃から十時頃まで明るい毎日です。
そんな中で朝早くから働きます。
夕方からは家族でコンサートに行ったりオペラに行ったり、ゆっくり楽しむ。
こういう生活をしております。
経済構造、あるいは国民性を持っております。
ヨーロッパの中では、新しいEUというスタンダードに向かって、変わりつつあるということでございます。
とりあえず通貨はEUとして統一されましたが、今後まだ弱体経済下にある周辺加盟国を抱えて先行きの多難が予想されます。
こうして見るとグローバリゼーションを強引に推し進めようとするのはアメリカに他なりません。
経済の広域化が進み、国境を越えて来た現在、各国はグローバル化の波には抗しようもありませんが、アメリカ主導の国家間の競争でなく、国家と言うものがなくても良いようなグローバリゼーションがあってよいのかもしれません。
しかしそう簡単には参りません。
EUだってアメリカの戦略に対する新しい枠組み作りと考えられます。
そういったときに今の日本に一番欠けているのは国家意識です。
何処の国でも「国民は国を愛し、国に誇イタリア人次はイタリア人。
イタリア人は今、フィァットが大変だということで大騒ぎになっております。
皆さんは「不易流行」って分かるでしょうか。
これは守るべきところはきちんと守る、変えるべきところはすぐに変えるということで、芭蕉の言葉です。
芭蕉の言葉が奈良に確か残っておるはずで、奈良の人がいろんな本を書いたりしておりますが、イタリアはその「不易流行」を地で行ったように、古い守るべき伝統であるとか、ローマ時代の遺産であるとか、ブランドであるとか、こういうものはきっちりと守った上で、変わるべきものは、ファッションとかデザインなどは情け容赦なく脱ぎ捨てて、新しいファッションやデザインを作っていく。
こういう新旧混じり合ったりを持っています」。
ところが戦後、日本では国家と言う意識がタブーであるかのどとく、自分の権利を主張し、自己を強調する事が民主主義であるかのように教え、どういう礼節、どういう礼儀作法、どういう倫理観や公共精神を持つべきかを殆ど教えなかったようです。
こういう過去の良いところも教えはすべて戦時の全体教育であるかのどとく考えられていたのです。
ここで新しい国家意識を取り戻し、新しい倫理観の中でアメリカ発だがアメリカ式でないグローバリゼーションに適応してゆく必要があると考えています。
さておいて利益追求をすることは許きれない段階に来ております。
従って環境維持に努めながら、かつ利益追求を両立させる方向で進まねばなりません。
環境に配慮した商品開発でコストや売上への影響があっても、今や、環境をさておいての経営は許されないのです。
これらを両立させられる方向に経営を進めてゆくようわれわれは努力しているのです。
途上国の国益追求にどう解決策を見出すか?当面途上国は利益追求をすることは止められません。
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